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これは 未知との遭遇(3)第四種接近遭遇 の続きとして書かれたものです。 変人さんはそこらに落ちてるので探してお読み下さい。正常な方は今すぐ閉じて下さい。どちらでもでもない方は慧音と霖之助がちょっと仲良くなった状態と考えてお読み下さい。 接近遭遇の順序がおかしいのは仕様です。 第二種接近遭遇 森に程近く、しかし里からも大して遠くない、さりとてそのどちらでもない場所にそれはひっそりと建ってい る。建物自体に不審な点はない、ただ周りに置かれた様々な物が場所もあいまって異様な雰囲気を醸し出してい た。 戸を開けると眼前にはさらなる混沌が広がる。商品が山と盛られている道具屋を他に見たことがあれば別だが、 そんな可能性を考慮する必要はないだろう。見覚えのある日用品から一見しただけでは何に使うものなのかわか らないものまで品揃えは枚挙に暇がない。いい言葉で言えば、でだが。 人によってはゴミの山にも見える商品の群れの中にひとりの人間がいた。この店の主であり道具と本を偏愛す る男、森近霖之助。この山から客の望む品を探し出せるということは恐ろしいことにほぼ全ての商品の所在を把 握しているらしい。彼はひとりでいる時間のほとんどを読書に費やしている。よって来店した者の多くは店主が 本から顔を上げながら発する、気のない出迎えを受けることになる。商売をしている自覚があるのかすらを疑問 に感じても決して罰は当たるまい、実際生きる術としてこの店を営業しているわけではないし、企業努力など微 塵も感じられないのだから。 そんな体たらくなので当然客の数は多くない。場所選びが裏目となり人間にも人間以外にも寄り付かれず、独 特な接客態度が仇となり再び彼のもとを訪ねる気になる者も少ない。自然と来店するのは限られた面子になる。 たとえば彼が昔修行した恩のある道具屋の娘、たとえば魔法使いの友人、たとえば外の道具を監視する妖怪、た とえば主に忠実な従者、たとえば――。 森に背を預ける少し不思議な店、香霖堂。ここは全てを受け入れる。 その店に向かう人影があった、感覚の鋭い生物ならそれが妖怪でも人間でもない半端者であることに気づくだ ろう。手ぶらで、洋服を身にまとい、自らの足で、誰の命でもなくそれは歩く。その目が見据えるは人か妖か、 あるいは道具か、歴史か。 ほどなく目的地に着いた。 おそらく店主はいつもの仏頂面で本から顔を上げることだろう。そしていらっしゃいませ、とその気もないの に歓迎の意だけは示すのだ。しかし最近は客がいることも増えてきた、巫女や霧雨の娘さんがいる可能性も高い。 あのふたりに避けられているのはどうにかして改善できないだろうか。 戸を開けると何よりもまず香霖堂独特の埃っぽい臭いが鼻につく。鼻が利くのは多いに結構だがこういうとき まで必要以上に鋭敏なのは考えものかもしれない、半獣になって久しいが慣れないものは慣れない。 「やあ、君も暇だね。買い物ではないんだろう?」 口調から他に客はいないことがわかる、そういう線引は割としっかりとするタイプだと記憶している。視線を やるとまさに本にしおりを挿んでいるところだった。 「私のことならお気になさらずに。最近ここの空気が気に入っただけですから」 嘘はつかない。この臭いも、この店の道具が持つ歴史の片鱗を覗いていると思えば悪くない匂いになるという ものだ。 「人と話をしようというのに本を読み続けるのは失礼だろう? 君にその気がなくともこちらにはあるんだ。い つもはこちらが付き合っているのだからたまには僕の話に付き合うのが筋というものだ」 慧音の顔が一瞬にして強張る。霖之助を知っている者ならばわからなくもない反応だが、彼を受け流す技術に 乏しい彼女にとっては割と死活問題だ。幻想郷の記憶のお墨付きの長話なんて聞けたものではない。 「そう露骨に嫌そうな顔をしないでいいよ。話をすると言っただろう? 僕の独演でも構わないんだがひとりで 話はできないな。なに、返答いかんではすぐに終えるさ」 霖之助には考えるところがあった。慧音は半妖にしては気まじめな性格だ、悪く言えば人間並に余裕がない、 と彼は認識している、していた。だがもしかしたらちょっとしたことからそれを改める必要があるかもしれない と考えていた。 「僕らのような人間が混じっている者たちにも不文律があるのはわかっているね。君は用もないのに無遠慮に入 り込んで来すぎじゃないかい? 僕の領域に」 「ふむ……もう半身同士が会う分には支障などありはしない、あたりでいかがでしょうか? それにしてもたっ たの一年も経っていないというのにずいぶんと懐かしいですね」 慧音は至って涼しい顔だ。以前に同じような質問を受けたときの反応を知るものがいればどう思うだろうか。 それを知る霖之助は仏頂面を保ったままだった。脳裏にどのような思考が駆け巡っているのか、読み取るのは やや難しい。彼はああ、そうかとだけ呟いたきり黙り込んでしまった。 閑古鳥さえ鳴くのを躊躇ってしまいそうな沈黙が広がる店内、霖之助をみて慧音も口をつぐんでしまった。不 気味に空気は張り詰めているが不思議とふたりの表情は穏やかだ。 この程度のことでたじろぐほど慧音は未熟ではない、霖之助はこうとも認識している。 ただ、ひとつ大事なことを決めてしまうと途端に視野狭窄に駆られ熱くなる、それだけだ。十分未熟と言える が好意的に解釈すれば物事の優先順位が定められており、それは決して揺らぐことがないとも言える。彼女らし いと言えば彼女らしい。 慧音としては何故霖之助が黙っているのかわからなかった。 もちろん原因は推察できる、私の答えが癇に障ったのだろう。しかし彼の判断基準は理解しがたい点が多々あ り、なにが気に食わなかったのかわからない。そもそもつまらない堅物と言いながら私が傍にいることを拒否す る素振りをほとんど見せないのが解せない、もしかしたらこれが二度目か。そんな店主の態度に甘えっぱなしな のは確かに良くないことなのかもしれない。 互いの思惑をよそにふたりは表面上は何事もないように振る舞う。当たり障りのない会話を交わしながら慧音 は霖之助の腹の内を探るが、それで読ませるほど甘くない。次第に口数は減り、やがて人影がひとつ香霖堂を後 にした。珍しいことにまだまだ日は高い。 照りつける日の本を歩く眩しいそれを、暗い店内から見送るものがあった。 「君は元が人間だからかもしれないが、変わることに抵抗がないんだね。変わらないことを選択する僕が見つめ るのは少し厳しいよ」 当然慧音には届かない。 それ以来慧音は香霖堂に姿を見せていなかった。とは言ってもたったの半月ほどのことなので珍しいことでは ないはずだ。それでも霖之助には落ち着きがなかった、当然前回の別れ際のことである。 特定の事案を除けば彼の観察眼はなかなかのものである。残念な思考回路が働かなければ彼の能力はもう少し 有効活用されていたかもしれないと思うともったいない。 その眼には慧音が小さく映った。霖之助が少なからずショックを受けていたのを見て、あるいは何か考える所 があったのかもしれない。 問題はないと踏んでいたが見誤ったか、彼女は僕の理解から外れた妙な発想をままする。何しろあの堅物の彼 女ことだ、初めてこの店を訪れたときの理由を鑑みればどのようなとんまな論理が展開されているかわかったも のではない。これは次回来たときにでも少し気を使ってやる必要があるかもしれない。まったく、世話が焼ける 半獣だ。 彼は自分の中でそう結論付けるとしおりの挟まれた比較的薄い本を取った。これが霖之助にとっては娯楽の時 間だ、これが用も無く邪魔されることを彼は好まない。いつものように茶をすすりながら書を眺め、ある程度経 つ毎に頁を捲り、捲り――捲らない。視線は動くのだが焦点が合っておらず、文字列の上を目が滑る。頻繁に辺 りを見渡しては席を立つ。そして珍しいことに店内の掃除を始めた、はたきから始めて棚の濡れ拭き、床の箒掛 けの後に床にも雑巾を掛ける。道具の手入れを省いたというのに全てが終わるころには日は天頂に差し掛かろう としていた。 その間も客は誰ひとり訪れなかった。一時増えた人間の客も何故かわからないが、満月の日の潮が引くかの如 く気がつくといなくなっていた。霖之助は魔理沙も霊夢も来て欲しいときに来なくて、別に来ないでもいい時に 限って現れるのは何か法則があるのかを真剣に考え始めた。 答えなど元からないのでしばししても進むのは急須の中身の減りばかりだ。それに気づくと茶を淹れんとお勝 手に立つ。再び店に出てきたときに彼の手にあったのは珈琲だった。 進まぬ思索と同じく進まぬ読書の合間に珈琲をすする。たとえどんなに暑くとも彼が飲むのはホットだ、あの ときと同じく。 「恋のように甘くなければならない、か。ずいぶんとわかりづらい甘ったるさなんだな」 もしかしたら呟いた本人すら気づいていないかもしれないひとり言。いつだかの物忘れが気になって調べなお した、外の世界のさらにもう少し外の世界の言葉をまとめた書物にあったものの最後の下りだ。これを忘れてい たとは彼らしいと言えば彼らしい。 文字列を追う目が捉えるのは開かぬ扉ばかりで、娘のような少女とその友人について考えている脳裏には別の 少女――女性の後ろ姿が浮かぶ。 頭を振る。 「僕はなにか負い目でも感じているのか」 自らの手のひらを見つめる。今までこんなことは一度もなかった、誰かが来てペースを乱されることはあれど 居もしない人物によって惑わされるなどという奇妙なことがあるわけがない。そうしてこれまでの永い人生を過 ごして来たし、これからの永い人生も過ごして行く。 それなのにあの姿がちらちらとよぎる、これは一体どういうわけだ。単なる気がかりというには強すぎるし負 い目など彼女にはないはずだ、少なくとも一見のつまらぬ客よりは丁寧な対応をしている。僕の反応から変な気 を回してショックを受けていたとしてもそれは彼女が勝手に判断したものだ、僕の責任ではない。僕の責任でな いなら負い目を感じる必要もない。 ではこの異常は何なのだろうか。誰かが僕に魔法でもかけたのか……。そうか魔法だ、魔法といえば魔法使い だが呪いを使用する妖怪妖獣は比較的メジャーだ。なにせ彼女は森羅万象に通じると言われる聖獣と混じったの だから、その性質を考えれば呪い(のろい)を使うとは考えにくいが呪い(まじない)の方法のひとつも知っていて も何ら不思議ではない。 何が目的だか知らないがこんな迷惑な真似は即刻やめてもらわねばならない。そうでないと読書も満足にでき やしない、次回来たときなどと悠長なことを言わずにすぐにでもこちらから乗り込んでやろう。幸いにして今日 も客はいない、思い立ったが吉日だ。 霖之助はいそいそと出支度を始めた。まったくもって妙な発想からとんまな論理を展開している。しかし全て が全てずれた考えというわけでもない。 正しく彼女は彼に呪いをかけた、それがのろいなのかまじないなのかはわからない。そもそもこのふたつには 腐敗と醗酵程度の差しかないのだから。 人里には不思議な施設がある。半妖が人間を集め、呪文のようなものを唱えている。その呪文はどうやら眠り に誘う類らしく数名が舟をこいでいる。普段ならそのようなことをすれば半妖による拳骨なり頭突きなりによる 目覚ましが施されるのだが、今のところその様子はない。 呪文を唱える半妖、正確に言えば半獣の慧音には気がかりがあるようだった。髪と同じく青白い顔には陰が差 し、すらりと伸びた女性にしては高い身長を支えるのがやっとという具合だ。本人は隠そうとしているのだが、 生徒たちは顔を合わせる機会が多いのでとっくに気づいている。気づいた上で知らん振りをしている。 その頭には霖之助のさびしそうな顔が残っている。いつもの仏頂面に変わりはなかったが、彼女はそこに幽か な憂いを見た。 たとえ相手が神様だろうが閻魔様だろうが余裕たっぷりに煙に巻いてしまいそうな店主だ。私ごときの言であ のような顔を引き出してしまうとは夢にも思わなかった。今まで私が出向いたときの態度を鑑みれば平時であれ ばどのような思考が繰り広げられていたとしてもああはなるまい。こちらからなんとかするのが筋だが、嫌がら れているのなら香霖堂には行きづらい。どうにかしなければ……。 彼女は頭では全然関係のないことを考えながらも口では眠りの呪いを唱え続ける。これが慧音の仕事なので当 然だ。いや、報酬を要求していないので趣味かもしれない、要求しなくても好意で集まるので同じことだが。そ の仕事にも明らかに身が入っていない。挨拶回りをしたときに人妖問わず誰からも気まじめと評された慧音から は想像もできないことだ。彼女はそんな状態でも懸命に授業を進める。最早机に顔をつけて熟睡している男児に も気付けぬほど調子が良くない体を支え、脳裏に浮かぶ影を振り払いながら。 授業は「妖怪の脅威と共存の道」という単元に差し掛かっていた。彼女が寺子屋を開いた一番の理由なのだか ら当然教えることは多い。九代目御阿礼の子、阿求に一番細かく裏付けを取ったのもここだ。慧音にもわからな いことは当然あるし、白沢が創った歴史と幻想郷の記憶に違いがないとも限らない、というより違いがないわけ がない。 実際慧音は永夜異変の際に人里の歴史を食うことによって不気味な夜から人間を守ろうとした。消したものを 修復したからと言って消した事実までもが無くなるわけではない。あの晩、一部を除いた里外の者から見れば確 実に人間の里など存在しなかったのだ。同じような例が他にないとは言いきれない。 「と、ここまで言ってきたように人間と妖怪が共存できる道は多い。しかしながら妖怪が人間を襲うものである ことに変わりはない。今では命に危険が迫ることも少なくなったが昔は違う、たとえば――」 ほぼ無意識の内にも授業は進んでいる。たとえ体調が悪かろうが責務を果たさずにいられないというのは彼女 らしいと言えば彼女らしい。 昔に起きた悲しい出来事といえば半人半妖や半人半獣のことが比較的身近なことだろうか。私のように後から 混ざった者はまだ幸せな方だ。 子供たちに教えられるようなことではないが、先天性かつ人間がベースの場合、大半は望まれぬ形で生まれて いる。あの店主がどうなのかは知らないが、その可能性も高い。知能の低い妖怪が人里から人を攫った場合、男 は食って女は……というのは珍しい話ではなかった。ほとんどの場合はそのまますぐに食われて終わるかしばら く経って何事もなく食われて終わるかだが、例外はあった。 「霖之助……」 彼の知性を考えると親の知能が低いとは考えにくい、だが親で子の全てが決まるわけではない。そもそも彼が 自分の出生を知っているとも限らない。 そうか、私は不用心にも彼のそのような繊細なところを刺激してしまったのだ。 もう半身同士、これはもちろん人間同士という趣旨で言ったことだし彼もわかっているだろう。だがその言葉 を裏返せば人間と妖怪が混ざった存在であると強く言っているようなものではないか。不遇な生まれの場合はも ちろん、望まれた形であっても周囲からは半妖と避けられ続けてきただろう。その体験は人格形成に悪影響をき たすには十分すぎる。彼のひねた性格もひとりでする読書を好むのもそこに由来しているに違いない。 これはもう香霖堂に行きづらいなどと甘ったれたことを言ってはいられない。今日の授業が終わり次第直ちに 謝りに行かねばならない、そしてどのようなことをしてでも無礼の償いをするのだ。何故か教科書が読みづらい が授業を早く終わらせねば。 慧音は授業の続きを始めた。霖之助の仏頂面から感情を読みとるあたり彼女の観察眼はなかなかのものである。 だが残念な思考回路が働かなければもっとよかったことに違いない。 生徒たちからすれば何が起きたか全くわからない。妖怪の脅威について例を挙げ始めたと思えば急に黙り込み、 最近噂になっている男性の下の名前を呟いたと思いきや突如泣きながら授業を再開したのだ。 教室にいる女性生徒らほぼ全員からの黄色い声と一部の男性生徒からの悲鳴とを引き出すには十分だ。 ついでに言うと、慧音が霖之助の下の名前を呼ぶのは初めてだった。 生徒らを一喝して黙らせ、慧音は授業をいつもより少しばかり早く終わらせた。誰よりも早く帰り仕度を済ま せ、忘れないようにしっかりと言っておく。 「先生、休み明けだけどもう一度休むかもしれない。もしそうなったら長めになる」 「せんせー、もしかして香霖堂のお店の人絡みですかー?」 質問したのはいつぞやの香霖堂で慧音と霖之助に声をかけた女生徒だ。肯定するとさらなるやかましさが慧音 を襲った。 「ついに――!」「あの鉄壁が――!」「う、嘘だああああああ!」 収拾などつきそうもない。断片的にしか聞き取れないので慧音には何がなんだかわからない。もしこれでわか るようならこんな事態にはならなかっただろう。 どうしようもない騒ぎを鎮静化させたのはある生徒の指先だった。その指に気づいた者がひとり黙り、ふたり 黙り、やがて誰しもが口を閉ざした。慧音の眼もそれが指す先にある窓に釘付けになる。それはどうやら未だに 自分の存在が気付かれていることを知らないらしい。 白と呼ぶには少しばかり光沢がありすぎる色の髪、つむじの関係か一部が立ち上がっている。その頭が窓枠の 下から三割ほど、文字通り頭を覗かせていた。このような目立つ物を持つ者などたとえ白沢の記憶を総動員して も里内に思い当たらないに違いない。そう、里内には。 緊張、自責、不安。直前まで慧音が考えていたことを思えばこういった感情が湧いてくるのが当然だ。しかし、 彼女の胸を締め付けたものは一部異なるようだ。 それは彼が自分を避けているわけではないという安堵。 それは彼が照りつける日の下訪れてくれたという歓喜。 それは彼が何故に人ごみの中に現れたのかという不安。 それら全てがない交ぜになったものが心から溢れ、瞳のフィルターを通り、涙となってにじみ出る。彼女自身 は涙の理由を知らない。ただこれ以上無様な姿を見せまいという一心で心を落ち着かせようと努力する。 「そこにいるのはわかっていますよ? 店主さん」 目尻を拭って声を張る。その声からは動揺など微塵も感じられない。 うまく隠れていたつもりだった霖之助は飛び上がる。彼は慧音が寺子屋で授業中である可能性をすっかり失念 していた。おかげで茹だるような外気の中でしばらく待つ羽目になった、帰っても良かったはずなのだがどうせ あの様だ、窓の下に腰かけて待つことにした。 そして今に至る。 向けられた多数の好奇の目が鼻息荒く乗り込むつもりだった霖之助から勢いを削ぐ。この視線が彼の最も苦手 とするものである。皮肉なことに慧音の推論もまた、全て間違っていたわけではなかった。彼女の推論に足りな いものは霖之助の性格に対する理解だけだったので当然と言えば当然なのだが。結果として半妖は窓ガラス越し に半獣を控え目に見つめ、立ち尽くすこととなった。霖之助の目はかすかに光る目尻を捉える。 出会ったら最初に言おうと思っていたことが慧音の喉から出てこない。憚られるような理由もなくこのような 状態になるのは初めてに違いない。例え何があろうと自分の信じた道を突き進んできた彼女だ、間違えることは あれど行動を躊躇うことなどあるわけがない。年端も行かない少女に頭を下げたときも一切迷いはなかった。し かし今は言葉が出ない。結果として半獣は窓ガラス越しに半妖を控え目に見つめ、立ち尽くすこととなった。慧 音の目は頬を伝う汗を捉える。 「おや、用なく妖の住処を訪れるのは良くないと言ったのは誰だったかな……。心当たりはありませんか?」 沈黙を破ったのは心にもない言葉だった。口にした瞬間慧音に激しい後悔と自己嫌悪が襲いかかる。これでは まるで霖之助を拒否しているように取れる、というかそうとしか取れない。 「あ、いや、あれはそういうつもりじゃ……、すまない。またの機会させてもらうよ」 かぶりを振ってすぐさま振り返る。慧音が引きとめようとする前に霖之助は脱兎の如く駆け出していた、ガラ ス越しでその声が届くわけがない。それにしても霖之助が走るとは珍しい、常に泰然自若として生きている彼の 走る姿を見ることなどない。何か理由があったのだろうか。 残された方ががくりと首を垂れる。様子を伺っていた生徒たちがひと段落着いたのを察すると恐々としゃべり 出す、慧音の耳には一切入って行かないが。その中のいかにもやんちゃ坊主といった雰囲気を持つ少年が声を上 げた。 「せんせせんせせんせー! 今のって先生のコレ?」 ある指を立て、にやにやと笑う。 「コレ、とは?」 何が言いたいのかわかっていない。 「ちっがうよもう、先生のオトコかってことだよ」 「確かに森近さんは男性だがそれがどうした」 小首を傾げる。演技ではない。 「先生とイイ仲かってこと!」 「この前まではそこそこ悪くない仲だと思ってたんだがね……」 「ああもう! 彼氏とか恋人とかなのかってことだよ!」 「は?」 その少年の言葉を皮きりに一斉に生徒たちが群がる。中には今すぐ霖之助を追うべきと冷静な助言をする者も いたが多数の興味心と一部の思惑によって却下された。 慧音先生があんな顔するの初めて見ただの先生があんなこと言えるなんてびっくりですだの、今のは何かの間 違いですよねだの口々に質問が寄せられる。おかげで慧音は完全に出遅れてしまった、助言を聞くまで霖之助を 追うという発想が浮かばなかったのが主な原因だが。ともあれ、慧音が解放されるのはもう少し後になりそうだ。 霖之助は走るのをやめたのは寺子屋に使われている建物が見えなくなってからだった。なぜ走ったのか自分で もわかっていないに違いない、正誤はともかく彼には呪いを解かせるというれっきとした理由があったのだから 逃げる必要などないのだ。しかし何かを考える前に足が動いていた。これ以上ここにいたくない、聞きたくない、 見たくない、もしあのままでいたら自分の中の何かが壊れてしまうと霖之助の本能が警鐘を鳴らした。これ以上 深く考えるのはよくない、日を改めて他に人がいないときに尋ねようと切り替える。そこで誰かが霖之助に声を 掛けてきた。 全ての生徒を家に追い返し終えた頃にはもう日が暮れようとしていた。根掘り葉掘りの質問攻め、花見をした ときの会話などの個人的な会話以外は隠すこともあるまいと慧音が判断したせいでほぼ全てが白日の下に晒され てしまっていた。そこから主に女生徒たちによる妄想の発展ぶりときたら……慧音が全くわかっていなかったの が不幸中の幸いだろうか、彼女らと慧音とでは前提からして食い違っているのだから当然だ。しかし慧音にも理 解できた言葉がいくつかある。 眼前の青年のだらだらと長ったらしい主張を要約すると、自分は慧音が好きだ、お付き合いを申し込んだこと もあるが丁重に断られた、最近慧音にまとわりついているお前――僕のことだ――が鬱陶しい、今日の寺子屋で の態度は普通じゃない、どういう仲だ、ということらしい。 「客と店主だ、それ以上でも以下でもない。ついでに言うとまとわりついているのはどちらかと言うと彼女の方 だね」 「嘘を言うなあああああああ」 ついでに言ったことが悪かったらしい。気が触れているのかと疑ってしまうような奇声だ。これはこれで見が いのある。人が狂う瞬間などそうそう見られるものではない。 「そうか、君は彼女が好きなんだったな、すまない。正真正銘彼女が僕を訪ねて来ている。ついでに言うと客と 店主の間柄だよ」 彼はがっくりとうなだれてしまった。どうしてだろうか。 「……もういい。じゃあ半月前に慧音ちゃんがお前の店に言ったときに何か変なことを言ってないかだけ教えろ。 お前んちに行った次の日から六日も寺子屋を休んだんだぞ」 「なんだって? 体調不良が重なっただけじゃないのかい」 何か言われたのは僕の方だ、彼女じゃない。 「違う、休み明けに誰かのことで心労がたまって倒れたって言ってたからな。タイミングから考えてお前しかい ないんだ」 彼女はもしかしたら僕の思っている以上に変化しているのかもしれない。思いもよらない方向で。 「誓って僕からは大したことは言ってない。あとこれは善意だが想い人を付け回すような真似はお勧めしかねる。 ともかく客と店主の間柄でしかないのは確かだし、今の所発展する目途も立ってない。それより今日同じよう な質問をしてきたのは君で八人目だ。早く帰って他の七人を出し抜いて彼女を口説き落とす手立てを考えた方 が有意義だと思わないか?」 実際は七人目なのだがこれくらいの嘘なら閻魔様も見逃してくれるだろう。やはり慧音は男衆に好意を受けや すい見てくれと性格をしていたらしい。 恋に狂う人間というのは特にいなしやすい。七回目の八人目も前の六人同様慌てて帰って行ってくれた。演説 を七回も聞かされたせいで日が暮れようとしているではないか。八というのはひとり目が来たときに適当に決め たのだが、もうあとひとりと差し迫っている、八人目の恋する男がどんな顔をしているのか、少し興味がある。 違和感があった。 「恋……か。なんと俗っぽくつまらない言葉だ」 つまらないものに興味を持ってしまった自分に呆れてしまう、今まで気付かなかったが僕にはこんな一面もあ ったのか。しかしそれも彼女が僕に掛けた呪いの効果の一環に違いない、早急に解呪させなければいけない。い かな呪いのせいとはいえ、そもそも彼女に出会って何らかの影響を受けていなければこれほどの効果があるはず ない。格言で言うならばあれだ。 “男も女も、本当に嫌っていたらその相手の元になんか来ません” これは額面通り店主は私のことを避けているわけではない、と取っていいのだろうか。気が付いていなかった とはいえ、あれほど失礼なことを言ってしまったのに避けられていないと思ってしまっていいのだろうか? “あんだけ汗かいてたってことはわざわざ先生に会うために待ってたんだよ。そうじゃなきゃあんな色白な人が 外にいるわけないよ” 本当に私に会いに来たのだろうか。そうであるならば何故? 私に二度と近寄るなと釘を刺しに来たと考える のが自然だ。 “先生はそんなことを仰いますけど、お話を伺った限りではあちらの殿方が先生に好意を抱いているのはほぼ間 違いありませんよ? わたくしもあの香霖堂という店にお邪魔したことがありますが、あのような男に先生ほ どの方が心惹かれるとは思えませんが” 当然そんなはずはない、あの店主が女性に熱を上げるところなど想像すらできない。それにこちらとてあんな 陰険店主は願い下げだ。陰険で人が嫌がることも平気でして、今は負い目を感じて気になっているだけだ。 ただ、実際には違っていても“あの”店主が私を好いているように見えるというのはなかなか愉快な話ではあ る。 仮にそうだとしよう。私は半月ほど香霖堂に行っていない。その前までは十日も開けることは少なくなってい たから……一応説明がつく。わざわざ外で待っていたのは一刻も早く顔を合わせたかったから……というのは少 し無理があるか、相手は私だ。逃げたのは生徒たちの目が辛かったからで間違いないだろう。整理して紙に図面 を引いてみても一部無理があるが、一応全ての問題に解決案が出揃う。 しかしまあ、この紙に描かれているのは正しく絵空事、なのだが。 “そうですよぉ、見てくれが多少よくてもそんなの十年すればみんな同じです! 先生には素敵な旦那さんと幸 せになってもらいたいなぁ” 残念というかなんというか、彼は私と同じく十年ぽっちでは見た目など変わらない。それと何だろうか、生涯 独身でいる気だがたとえ誰かと結ばれたとしても、それが彼だと幸せになれないと思われているのだろうか。確 かに陰険で人が嫌がるようなことを平気どころかむしろ喜んでやることもあるが根気よくやっていれば修正する ことだって不可能ではないだろう。 “あ、いや、あれはそういうつもりじゃ……、すまない。またの機会させてもらうよ” 彼のことを考え続けていたせいだろうか、彼の声が浮かんできた。あのときの店主の挙動不審ぶりと言ったら 天狗のカメラにでも収めてほし―― 「あれはそういうつもりじゃ、ない?」 ではどういうつもりだった。私にこれ以上香霖堂に近寄るなという意味ではなかった! ということはやはり 避けられていたわけではなくて、ええと、落ち着こう。落ち着いて考えればわかるはずだ。 ふと眼前に置かれた絵空事が目に入る。 「まさか、な」 それにしてもいくら混乱していたとはいえあそこであのような言葉が口をついて出てしまうとは、一年前の私 では考えられない。私にもこんな一面があったのだな。正にあれだ、いいか悪いかは置いておいて。 「朱に交われば赤くなる、か」 赤く染まった頬は強い西日によるものであり、他の要素は一切ない、と誰かに聞かれたら答えるだろう。 森のはずれにはとある古道具店がある、名前は香霖堂。幻想郷は全てを受け入れる、とはとある妖怪の談だ。 なるほど、それを信じるのであれば香霖堂は幻想郷の縮図とも言える。 だけどまあその店の主はなんとも胡散臭い、これはつまり幻想郷の住人全てが胡散臭いとも言え、それが当た らずとも遠からずだ。さらに主が自分のこともろくにわかっていないとなると、その店が幻想郷の中心だとは断 定しにくいのではないだろうか。 おわ霖
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DETA二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二 モチーフ:特になし 分類:陰陽師/作り手/ 二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二DATA ,,.. -―- ..,,__ }'、 ,,. ''´ `´ヽ/__〉 / ',`ヽ / / / ヽ ヽ ∠、_ノ / / l } ', '、 {∠ノ / l /r=、lヽl/ } ヽ ヽノ/|ノ  ̄l /';弋r/ヽ'l /从/ | } { 从 l//`ヽ、 /l /-‐/ } l | ∧ ヽ,l / `''⌒/テヽ';/ l l ,. -、_ _,,..ゝ∧l ./ ヽ、 }ヽ、/l/ //'} /´ ヽ/`l''ーv' ´ /l/ l/ヽ、 `ヽ ´´ ,.ノ l/l/ 〈ヽ l ヘ l l〉〉 {\\ \_ ,,.. ィ´ | / } \ l ∧ l 〈 〈l l ヽ, ' ..,,_/\´ /l // // ヽ | ,/ } l 〉 ',、 ヽ`''ー// 〉ヽ、/ノ/´. /_ノ ヽ ´ | l l lヽ`' / 〈 / `ヽ,_ l l ゞ '; / ヽ \ ヽ / 〈 / //l l `ヽ //''‐-、-、 l, / ヽ ∨´ / /// l | l`'''- ..,/`ヽ、ヽ,/ノ __,,.ゝ-\ ', </ { v /, ヽ / / `'' ..,,`v、''´ ー- -- `ヽ、_,,..ノ ` ´l /ノ/、 / l , ' ー----‐'''´ ̄ ̄`''ヽ ''´`ヽ /' / / ヽ. / l _、_ / / ,l_ノ ̄,____ `'l'ヽ`ヽ、 `ヽ// / `l. / ,l ,..,_ヽ{ l_ノ_ソ,'´ l;.;.;.;.;.;.;.;. ̄`'ー-、., ヽミ 〉 / ,. -'´';// {/ `ヽ、} || ||_|;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.`ヽ、{`ヽ /ヽヽ/ヽl / \ \ || |/|| |ヽ;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.ヽ ''ヽ/___ ,/ / \{ ' ` \| ,'| l `ヽ__;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.} ,.. / / ヽ\ ヽ _ゝ-----、;.;.;.;.;.;.;`'''ー----t´ ヽ / / \ ヽ \/´ _ ヽ;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;l ,,.. - '´ ̄ ̄`''----、 `ヽ `、 ,,./ /´ ヽ;.;.;.;.;.;.;.;. ,,.. ┴´ / `' ,.. }-‐'´, \ /l' / ',ー-- / ヘ / ,,.. '''´ ,,. -‐''´,,. -‐'''´; ; / / | l ヽ },.. '´ ヽ /,,. ''´ ,,.. -'´ ,,. -‐'´ ; ; ;; ; ; ; ; ; / / l/ ヽ l , _,,. 〉 /,,,. -‐''´,,.. -‐'´ ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; l / | ゞ /|l // / ; ; / /,,... -‐''´ ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; / / l | / |//,/; ; ; ;; / /________ ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; { | |{/; ; ; ;//_ノ ,. ' __ `ヽ、 ; ; ; ; ; ; | l | |; ;/_ノ´ / / l ヽ、 ; ; ; ; / __| | l;/ / / / | ヽ ; ; ; . / /; ; ; ; ;| l ヽ/ { | l ; ; ; / /; ; ; ; ; ; ; ;| | ̄ ̄`''ー-- ..,,, | | ; ; 二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二DATA 香霖堂の店主を務める青年。 見た目の割に年寄りで、戦国時代から生きている。 キョン子とは其の当時、織田信長相手に一緒に戦った仲。 道具を愛し、道具を大切にする人間を好むが、逆に道具を大切にしない人間は嫌う。 見た目は寡黙そうだが、割りと喋るのが好きで、特に蘊蓄を好む。 また本を読むのが好きで、放っておくと食事も睡眠も忘れて一週間は本を読んだまま、という事も以前は有った。 が、今はどちらも行き過ぎると直ぐにキョン子に突っ込まれて止まるので、其処まで酷くはならないのが現状。 腕の良い式神使いであり、魔道具作成の達人。 腕前はヒヒイロカネ等の金属を加工したり、現在では殆ど作れる人が居ないような宝貝等のマジックアイテムを作ったり する事が出来る程度。 ただ、簡単なマジックアイテムや武器(但し霖之助基準の『簡単』)なら居候の食費や学費の為に他の店に卸したりして いるものの、一品物のアイテムは趣味や身内、気に行った相手以外の為に作りたがらないし商売っ気もない。 彼にとって道具の幸せとは持つべき人間が持ち、その手で振るう事にあり、それが達成される場合、只同然で売る事すら ある。 それと国に頼まれ四神機という決戦兵器を作った事もある。 ぶっちゃけると新城さん達の親父。 同居人であるキョン子には昔の関係で頭が上がらず、彼女の尻に敷かれている。 .
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「○○君、実はね、僕は女の子だったんだ」 「…………」 「夢を叶えるためにはこうするしかなかったんだよ」 「……………」 「昔は女性への風当たりが強くてね、女性の姿じゃ修行を受けれなかったんだ」 「だがこうして男性の姿になることで店を開くという夢も叶えられた」 「けれど君を好きになった時、どうにも自分が女であることを伝えられなかった」 「いつまでも君との関係を保ちたいという思いもあったのかもしれないが」 「少々荒っぽい告白となってしまった、すまない」 「………それでこうして俺を気絶させて縛りあげたのか…」 「本当にすまなかった…けれども君への思いは本当なんだ」 「今更そんな… ん…?意識が…」 「言い忘れていたがさっき君にとあるクスリを飲ませたんだ 君は少々落ち着きすぎだからね、ちょっと激しくなってもらうよ」 「ハァ…ハァ… りん…の…助… なんで服を脱ぐんだ…?」 「そんなこと言わせないでくれ仮にも僕は女性なんだから、な?」 そう言うと霖之助は白く美しい身体を露にした そして眼鏡を外し某大怪盗ばりの変装マスクを剥すと、ボーイッシュな美しい女性の顔立ちへ変貌した しばらくし○○の緊縛が解け、押し倒した。 女性特有の微かな良い香りが今にも○○の本能を露にさせようとしていた… 霖之助に流され爛れたKANKIN生活を送るか! 自分の欲望に打ち勝ちこの試練を乗り切るか…! どうする○○~(某CM風
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魔法の森の入口には一軒の建物がある。 建物の名は『香霖堂』、外の世界から流れ着いた道具を変わり者の店主が売っている店である。 少ないが常連客は一応居るのだが、その常連客の中で代価を支払い物を買う常識のある者はほんの一握りの為店の売り上げは芳しくない。 そんな香霖堂に一人の少女が訪れた。 代価を支払わない常連客、黒白の魔法使いこと霧雨魔理沙だ。 カラン、カランとベルを鳴らし、魔理沙はいつもの様に香霖堂へ入る。 普段ならそのままズカズカと奥へ行くのだが、今日は入口で立ち止まり一言漏らす。 「なんだ、これ…」 ガラクタばかりの店内だが、常連にだけ分かる点がある。 荷物が増えているわけではない、ガラクタもいつもと同じように埃まみれなのも同じだ。 ただ、何故か散らかっている。 地震があったかのように、棚に置かれていた物も床に積まれていた物も同じように地面に落とされている。 中には壊れてしまった物もあるようだ。 「魔理沙、何時も言っているが黙って入ってこないで一声掛けてくれないか?」 店の奥からぶつぶつ小言を言いながら、透明な箱を抱えた一人の男が出てきた。 香霖堂の店主、『森近 霖之助』である。 「そんなことより香霖、地震でもあったのか? いつにも増して店が散らかっているじゃないか」 霖之助の小言を無視して魔理沙は聞く。 長い付き合いだからか、これ以上言っても無駄だと悟り霖之助は溜息を吐いてから答える。 「それはこいつの仕業だよ」 「こいつって、箱の中の奴か?」 霖之助に近づき、箱を覗き込んで魔理沙は聞く。 「ゲ、こいつは…」 箱の中には黒白の魔法使いの顔と紅白の巫女にそっくりな生物がいた。 「君も知ってるだろ? ゆっくりだよ」 「つまり、この散らかりは…」 「そう、全部こいつらにやられたんだ…」 もう一度溜息を吐き出す霖之助。 魔理沙も同じように溜息を吐く。 自分がやった事ではないにしても、流石に自分と同じ顔がやったのだか申し訳なく感じるのだ。 「で、そいつはどうするんだ?」 魔理沙の視線の先には二匹のゆっくりが飛び跳ねている。 箱の中の音は聞えないが、大方「こっからだしてね!!」だの「いいかげんにしないとおこるよ!!」等と言っているのだろう。 「とりあえず今は片付けを優先するよ。流石にずっとこのままにしておくわけにはいかないしね」 「そっか、手伝ってやろうか?」 「遠慮しておくよ。君に任すと大切な商品が無くなったり壊されたりしそうだからね」 「酷い言われようだぜ」 いつもと似たようなやり取りではあるものの、霖之助の表情は暗い。 一応使い方も分からないガラクタばかりとはいえ、それが壊されてしまったのがショックなのだろう。 「じゃ、今日は帰るぜ」 「分かった。暫く経ってからまた来るといい」 「またな香霖」 箒に跨って飛んで行く少女を見送り、霖之助は店の中へ入っていく。 相変わらず散らかったままの店内を見渡して、また溜息を吐く。 整理する切欠としては十分ではあるものの、やはりこうまで荒らされてしまったのがショックなのだろう。 「さてと…」 一言呟いて、切欠を作り出した元凶の入った箱に近づき蓋を開ける。 箱が開いたと分かった二匹のゆっくりは途端に喚き出す。 「はやくれいむたちをここだしてね!!」 「そうだよ!! まりさたちをとじこめるなんてひどいよ!!」 何でこういう事になったのか分かっていない二匹だが、霖之助は気にせず話し掛ける。 「ちゃんとこの箱から出してあげるさ。ただ、君達からは代価を頂かなければならないんだ」 「ゆ? 『だいか』?」 「『だいか』ってなに?」 代価という言葉がなんなのか分からないのか、ゆっくり達は霖之助に聞き返す。 「君達は僕の店を荒らしたからね、中には壊れてしまったものもある」 「そんなのしらないよ!!」 「ここはまりさたちのおうちだよ!!」 「そう言うのなら君達はずっとここにいなければいけない。それでもいいのかい?」 「「ゆぅ~…」」 ゆっくり達は思った。ここにずっといるのは嫌だと。 昔のように外を跳ね回りたいと。 「その『だいか』っていうのをやれば、れいむたちはここから出れるの?」 「そうだよ、君達から頂ければ僕は君達をその狭い箱から出してあげる事を約束するよ」 「じゃあ、まりさたちはなんでもやるよ!! だからはやくここからだしてね!!」 「本当に何でもやるのかい?」 「しつこいよ!! なんでもやるからはやくだしてね!!」 「じゃあ、後悔しないでくれよ?」 ゆっくり達は気づいていなかった。口元に浮かんだ霖之助の微かな笑みに… 霧雨魔理沙は箒に乗って香霖堂を目指している。 あれから一週間が経った。流石にそれだけ間を置けば、あの香霖堂の乱雑な店内も片付くと魔理沙は考えたのだ。 いつもの様に香霖堂の前で箒から降り、カラン、カランとベルを鳴らしながら店内へ入る。 以前の荒らされた店内を見たときと比べると、そんなに変わらないようにも見えるがやはり片付いているようにも見える。 元々物が雑多に置かれていたとはいえ、やはり常連にだけそれがいつも通りの香霖堂だと分かるものがあるのだ。 「香霖は…奥か?」 そのまま店の奥へ魔理沙は行くと、よく知る人物がそこにいた。 紅白の巫女、博麗霊夢だ。 「霊夢もきてたのか。香霖は?」 「今お茶菓子を取りに行ってくれてるわ。魔理沙も自分でお茶淹れなさい」 そう言って霊夢はお茶を啜る。 魔理沙は霊夢に言われた通りお茶の準備を始めながら、霊夢に話しかける。 「でも珍しいよな、香霖が自分から茶菓子を用意するだなんて」 「言われてみればそうね。なんか良い事でもあったんじゃない?」 さして興味が無いのか、霊夢は言い終えるとお茶を啜った。 魔理沙もお茶を淹れ終えて隣に座ると、霖之助が布を被せた箱を抱えて戻ってきた。 「なんだ、魔理沙も来てたのか」 「なんだとは酷いんだぜ。それより、早く茶菓子が欲しいぜ」 「そうね、お茶ばかり飲んでたからそろそろ甘いものが欲しいわ」 「はいはい、今渡すよ」 苦笑しながら、霖之助は箱に被せてあった布を退けると、霊夢と魔理沙はお互い時間が止まったかのように動かなくなった。 「ちょうど昨日作らせたばかりだったからね、二人ともいいタイミングで来てくれたよ。霊夢にはれいむを、魔理沙にはまりさをあげよう」 動かなくなった事に気づいていないのか、霖之助は固まってる二人に箱の中から取り出したゆっくりを渡していく。 箱の中には、一週間前に香霖堂を荒らした二匹のゆっくりがいた。 少し違う点は、二匹とも蔓を生やしていることだ。 霖之助は蔓に生えている赤ん坊のゆっくりをもぎ取り、そのまま口へ運ぶ。 その様子を見ているゆっくりは、擦れた声で「もうゆるじでくだざい…」「あかちゃんたべないで…」と呟いていた。 「な、なあ香霖…」 「その、箱の中身はなんなのかしら…」 少しずつ動き始めてきた魔理沙と霊夢はゆっくりを食べている霖之助に聞いた。 「何って… 見ての通り饅頭だよ。中々美味しいから食べてみるといい」 「いや、それってゆっくりでしょ?」 「確かにゆっくりだけど、饅頭である事には違いないよ」 「もしかして、それって店の中荒らして奴か?」 「そうだよ。あそこまで荒らされたのに何も頂かないで返すわけにはいかないだろ? だから今この子達には荒らした分の代金としてお饅頭を貰っているのさ」 そう言ってまたゆっくりの茎に生えている小さいゆっくりをもぎ取る霖之助、もう箱の中のゆっくりは泣いてしかいない。 「しかし二匹で荒らされたから良かったよ。一匹だけだったらこうやって饅頭を作る事はできなかったからね」 「…自分と同じ顔を食べられるのはちょっと複雑なんだぜ」 「魔理沙に同意するわ。それに、生き物は扱わないんじゃなかったの?」 「勿論このゆっくり達を誰かに売るつもりなんて無いさ。それに言ったろ? 荒らされた分の饅頭さえ頂ければちゃんと放してあげるって」 「じゃあ、それまではずっと飼うつもりなのか?」 「当たり前だ。ここは店で、この子達は店の商品を壊したんだ。代価を受け取り終えるまでは放すつもりは無いよ」 霊夢と魔理沙は顔を合わせ、溜息を吐く。 「香霖は私達と同じ顔をしてるこいつらを飼って何にも思わないのか?」 「見てるこっちとしては凄い複雑なんだけど…」 魔理沙は呆れ、霊夢は冷ややかな視線を向ける。 「おいおい、君達とゆっくりは違うだろう?」 その言葉に二人は驚いた。 この変わり者の店主がそういうまともな事をいうとは思わなかったからだ。 「香霖がそう言うとは以外だぜ」 「そうね、霖之助さんなら顔が同じってだけで同一視しそうだもの」 感心する二人に、店主は言葉を放つ。 それも、二人にとってはとても屈辱的な言葉をだ。 「盗んでいく君達と違って、ゆっくりはきちんと代価を払うんだ。一緒にしたらゆっくりに失礼だ」 「……」 「……」 二人の時は再び止まった。 自分と同じ顔をしている頭だけの饅頭以下と言われたのだ。これ程屈辱的な事は無いだろう。 「そう言われるのが嫌だったら、君達も勝手に盗んでいくのはやめるんだね」 霖之助の言葉に、二人は何も言い返せなかった。 箱の中のゆっくり達 草を食わされ生かされて 今日も明日も子供を作り献上す 昔のように跳ね回れる日が来るのはいつか それを知るのは半人半妖の店主だけ 終 こんな駄文を最後まで読んでいただきありがとうございます!! これを書いた切欠は、虐めSS一覧に霖之助の奴ってないんだ…って気づいたからです。 せっかく今年東方香霖堂の単行本が出るんだから、これは書かねばならんだろう!!と思いました。 できたこれは霖之助とゆっくりと言うよりは、ゆっくりを使った霖之助の霊夢・魔理沙虐めな気もします… 本当に御目汚し失礼!! by大貫さん 書いた作品 ゆっくりいじめ系352 虐められるゆっくり ゆっくりいじめ系382 ある馬鹿なゆっくりの話 ゆっくりいじめ系394 きめぇ丸 ゆっくりいじめ系421 めーりんとこうりん ゆっくりいじめ系488 ゆっくり飼ってます ゆっくりいじめ系497 携帯でチマチマ書いてみた ゆっくりいじめ系571 みんなで食べよう ゆっくりいじめ系572 きめぇ丸その後 ゆっくりいじめ系596 ゆこまち ゆっくりいじめ系611 どこで何が狂い出したのか… ゆっくりいじめ系628 鳩と餌と糞 ゆっくりいじめ系793 誰かがやらねばいけないこと ゆっくりいじめ系823 小ネタ7 ゆっくりいじめ系843 ゆっくり飼ってます2 幽香×ゆっくり系9 ある馬鹿なゆっくりの話2 ゆっくりいじめ小ネタ125 虫眼鏡 ゆっくりいじめ小ネタ128 ゆっくりが大好きだ!! ゆっくりいじめ小ネタ140 ガラス このSSに感想を付ける
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森近 霖之助 v1.203 / プラスweb体験版E´ ステータス 能力基礎値 HP 134 TP 16 攻撃 72 MP 9 防御 72 MP成長率 1/16 魔力 72 回避 4 精神 72 HP回復率 16 敏捷 72 MP回復値 2 属性耐性 状態異常耐性 炎属性 132 冷属性 132 猛毒 10 麻痺 20 風属性 80 然属性 80 鈍重 30 衝撃 40 魔属性 80 霊属性 80 恐怖 50 沈黙 60 冥属性 100 物属性 144 即死 70 低下 80 レベルアップ難度 56 加入条件 最初から スペル 名前 消費MP 対象 属性 攻撃種類 効果 使用後ゲージ量 備考 応急処置 1 味方単体 物 補助行動 本から得た基本的な応急処理の知識によりHPを微回復し、更に猛毒と恐怖を治療する。スキルレベル上昇に伴い治療可能な状態異常が増える。 7000 SLv1で猛毒・恐怖 SLv2で鈍重 SLv3で沈黙Lv4以降はHP回復量のみ変化 戦闘指揮 2 味方単体 物 補助行動 本から得た基本的な作戦指揮のノウハウにより、対象の全能力を僅かに上昇させる。 6600 上昇量は(8+SLv*2)% スキルリスト 名前 上限Lv 必要SP 効果 補足 ハイブースト Lv5 3Pts MP 「啓蒙の書」でハイブーストを習得する。 6Pts TP, 攻撃, 防御, 魔力, 精神 向上心 Lv2 5Pts スキル取得者が取得する経験値が(SLv*6)%上昇する。スキル取得者が探索メンバー12人の中に加わっていない場合、効果を発揮しない。「実戦経験」と効果は重複しないが、その他の取得経験値上昇スキルとは重複する。 実戦経験 Lv2 5Pts スキル取得者が取得する経験値が(SLv*12)%上昇する。スキル取得者が戦闘終了時に前衛にいない場合、効果を発揮しない。「向上心」と効果は重複しないが、その他の取得経験値上昇スキルとは重複する。 幻想郷の古道具屋店主 Lv10 1Pts 戦闘終了後の敵ドロップ率が(SLv*4)%上昇する。戦闘終了時にスキル取得者が前衛にいない場合、効果量が減少する。 連戦ボーナスも含めると更に効率UP。前衛にいない場合効果量減少(1/4) 目聡い店主のサガ Lv10 1Pts 戦闘終了後の取得金額が(SLv*2)%上昇する。戦闘終了時にスキル取得者が前衛にいない場合、効果量が減少する。 連戦ボーナスも含めると更に効率UP。前衛にいない場合効果量減少(1/4) 隊列変更効率化 Lv2 5Pts スキル取得者が「隊列変更」コマンドで後衛の味方を前衛に配置した場合、その味方の行動値が 7500+SLv*800 に設定される。 SLv2で交代後の行動値が9100前衛での活躍が期待できる。 ヘンな生き物の知識 Lv2 5Pts スキル取得者が前衛にいる場合、敵他種に与えるダメージが上昇する。同スキル取得者が前衛に複数人存在する場合、スキル効果は重複しない。 行動時敵攻撃低下 Lv2 5Pts スキル取得者に行動順が回ってきた際、敵全員に(SLv*4)%の攻撃低下効果を付与する。 行動時敵魔力低下 Lv2 5Pts スキル取得者に行動順が回ってきた際、敵全員に(SLv*4)%の魔力低下効果を付与する。 備考 「目聡い店主のサガ」と「幻想郷の古道具店主」を取得させ後衛に控えさせて雑魚戦はもちろん、ボス戦のドロップ吟味もだいぶ楽になるお助けキャラとしての運用がメインに思われる。 戦力としては全くの役立たず……と思いきや壁としての役割はその限りではない。 「行動時敵魔力低下」「行動時敵攻撃低下」や「隊列変更効率化」で戦闘の補助をさせることもできる。 啓蒙の書でHP・属性ハイブーストを解放したり図書館で多少貢ぐことで壁、準壁くらいの耐久力を得ることができる。 ボス戦での運用は壁として居座り「隊列変更効率化」による隊列の入れ替えになるだろう。 「行動時○○低下」を取得させているならより有用に働くことは間違いない。 ステータス振りについて ステータスは攻撃に振ってもしょうがないので、敏捷に振って「隊列変更効率化」のスキルを活かすべきか。 もしくはHP2敏捷1程度のバランスで割り振り、上記にあるように準壁としての役割を果たすのがいいだろう。 スキル振りについて 壁として運用するか、後衛にひきこもらせておくかは自由だが、どちらにせよ「目聡い店主のサガ」と「幻想郷の古道具店主」のお助けスキルは必須だろう。 ボス戦で壁として運用するなら「隊列変更効率化」をまず取ろう。 後衛から呼び出したアタッカーや回復役の行動が早くなる。 特に回復役が早く動けるので、回復が間に合わずに主力が落ちる危険を減らせるのが大きい。 また、通常であればアタッカーは壁役より敏捷が高くないと一撃離脱がしづらいが、「隊列変更効率化」があればアタッカー側の敏捷を気にする必要がほぼなくなる。 このため鈍足アタッカーのボーナスも安心して攻撃や魔力に極振りできる上、自己能力上昇スペルで敏捷が下がる萃香や空も問題なくぶっぱアタッカーとして運用できる。 さらに霖之助に敏捷上昇を付与すれば、他の壁役ではありえない速度でアタッカーを取っ替え引っ替えする霖之助の姿を拝めるだろう。 スキルポイントが余ってきたら「行動時○○低下」や防御,精神のハイブースト、啓蒙の書を使ってHP,敏捷,状態,属性などのハイブーストを覚えさせると、壁役としてより安定した活躍が見込める。 もしも酔狂にも前作のような前衛で使える持久系アタッカーにしたいなら各種ハイブーストをとるといい。 かなりのスキルポイントが必要だが、サブクラスも合わせれば必ずや大器晩成してくれる……はずだ。 超高のスキルポイントが要求されるが全てのハイブーストを取得すると高水準のバランスキャラになる 『応急手当』だが、SLv1で猛毒,恐怖、SLv2で鈍重、SLv3で沈黙の回復できる。麻痺や能力低下は直せないようだ…残念。 サブクラスについて 壁役として運用する場合は軍師、薬草使い、付術師などの味方を援護できるクラスがいいだろう。 壁用のステ振りの場合、『応急手当』より「祈りの心」をつけた『戦闘指揮』の方が間違いなく回復量は高くなる。 護衛士にして左端でメイン壁にする場合は、防御精神がそこまで高くないので回復役との連携は必須。 ドロップ率のために後衛に引きこもらせるだけなら、キャライメージとは合わないが歌姫にして探索支援させてもいい。 アタッカーにしたいなら、ボス戦なら貫通性能の高い「鉄山靠」がある体術士、雑魚戦なら「斬一閃」がある剛術士だろうか。 ■ プラス版 表示 森近 霖之助 スキルリスト 名前 上限Lv 必要SP 効果 補足 ハイブースト Lv5 3Pts MP 「啓蒙の書」でハイブーストを習得する。「百戦錬磨の書」適用で各種ギガブーストに変化 6Pts TP, 攻撃, 防御, 魔力, 精神 覚醒スペル 名前 消費MP 対象 属性 攻撃種類 効果 使用後ゲージ量 備考 的確な知見 8 味方全体 物 補助行動 味方前衛全体のHPを割合回復し、全ての状態異常,低下状態を50%の確率で治療する。HPの回復割合はかなり少なめ。 4000 SLv0では使用できない回復量は(10+SLV*2)%だと思われる 覚醒スキル 名前 上限Lv 必要SP 効果 補足 元・元アマノムラクモ所有者 Lv10 10Pts 本当にただ所有していただけである。スキル取得者の全ての攻撃行動に「全能力微低下」効果が追加され、スキル取得者の全ての回復行動に「全能力微上昇」効果が追加される。 上昇量は(SLv*1.5(小数点以下切り捨て))%低下量は(SLv)%と思われる ガッツ Lv2 5Pts キャラが戦闘不能になった場合、(SLv25)%の確率でTPを10消費し、HP1で踏みとどまる。 妹紅の「リザレクション」と違い発動時行動ゲージが0にならずそのまま 備考 覚醒で追加スペルを獲得。残念ながら前作のようなアタッカーへの転向とはならなかった。 「ガッツ」で居座り能力が強化された他、全体割合回復+状態異常治療の『的確な知見』を手に入れ隊列変更、回復、能力上昇低下を一人でこなすことができるようになった。 ただし「元・元アマノムラクモ所有者」の全能力微低下効果量は小さく、隊列変更する必要がない暇な時に通常攻撃でパスする時に能力低下付与できる程度と思ったほうが良い。 『的確な知見』と組み合わせると全体のHPを回復しつつ、全能力上昇を最大15%付与できるのでちょっと便利。 MP消費量と行動後遅延的に連発できるような行動ではないが。 「ガッツ」で生存能力が上がったので、前衛がほぼ全滅状態になっても霖之助なら「隊列変更効率化」で後衛から呼んだキャラに即行動させられて便利。 全覚醒スキル取得に必要なスキルポイントは110。覚醒スペルも含めると235。 ステータス振りについて スキル振りについて サブクラスについて 付術師になると「元・元アマノムラクモ所有者」と『的確な知見』の能力上昇に「慈愛の心」が加わり、 前衛全員に15%の攻撃魔力敏捷上昇、35%の防御精神上昇が付与できるようになる。「付術強化」も取得すれば17.37%に。 他キャラの全体防御精神上昇スペルの真似ごとができるようになる。 各種ギガブーストを取得した頃には龍神の力が最適となる。上の中くらいの敏捷で隊列変更し、各バフ・デバフをばら蒔く姿は前作に劣らない活躍だ。また、攻魔どちらもそれなりの高水準なので「龍神の吐息」も使えないこともない。 残念ながら、全ての回復行動とあるが癒術師の「応急処置」では「元・元アマノムラクモ所有者」の効果は発揮されない。
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/~./λ ハ_ヽ,ww∧ 'イ~゙/ ,イ.i ノ ,ハ ゝ’~~ ゝ ノ |i -'= ir-.1 ナサ! ト、ゝi{ ´1 !Ⅳfオ、 iVレィfオi'i |'^Nリ .!ルヘ{ー‐ '!} ー‐ 'ノノr'{ i | |ゝ、 . _ イ! N v `ル 个r --.个i!ル' .. へvァ-<ヽ`_,━’〉>- ャv,へ、 , _( }i . \X\ ̄/X/ }i )_ 、 . 〈 il. \X`/X/ il 〉 . > il __/X/__il < ┗╋━━━━━━━━━━ ┃Name:森近霖之助:【物】┏╋━━━━━━━━━━▽ 能力 ▽ 生命値 : □□/2(4) 気力値 : □□/2(3) 傾向 :[我道の正義]、[君子の絆]┏ ┳ ┳ ┓┃ 恐怖:01 才覚:09 存在:40 ┃┗ ┻ ┻ ┛┏ ┳ ┳ ┓┃ 戦技:05 交渉:06 敏捷:02 ┃┣ ╋ ╋ ┫┃ 霊性:03 技術:01 執筆:01 ┃┗ ┻ ┻ ┛▽ 傾向 ▽[我道の正義]:憧れを背負い、その先へ。全判定+10%の修正。また、メイン時、同行者・背後にいるキャラクターへの攻撃を無効化する。[君子の絆]:気高い絆の心。同行者である、同行者が居る場合、自身の全判定に+10%の修正。同行者の判定に+5%の修正。▽ 技能 ▽[霊装使い]…P…Lv3:月初めに、誰にでも使える簡易霊装“符”を取得できる。LV個まで。レアは取得不能。所持上限はLV個まで。[嘘看破・偽]…P…直感によって相手の嘘を見抜く。会話安価後のみ発動。シーン中で発せられた言葉の真偽を見抜ける。[降魔適応者]…P…三分間(3手番)のみ“降魔”として変身できる。また、降魔を使っても死亡しない。ただし使用後三ヶ月は変身できない。[人心掌握術・真]…N…判定前に宣言可能。自身・同行者の判定成功率に+15%の修正。判定成功時、同行者の気力+1。(気-2)[威圧交渉]…N…【交渉】判定・対決時に宣言可能。その判定成功率に+25%の修正。対決時の場合、勝利後相手の気力-2。(生・気-1)[降魔:戯画]…P…怪異の放つ霊障による自身への状態異常・祟り・呪いを常時無効化する。[降魔:昇華]…N…災厄を打ち砕く流星。【霊性】対決成功時、単体の【物】【霊】に対して+4点のダメージ。[降魔:転輪]…N…災厄を打ち砕く運命。【霊性】対決成功時、シーン内の【霊】に対して+3点のダメージ。シーン一回。[降魔:光息]…N…慈悲深きものの光。自身の判定前に宣言可能。その判定に+25%の修正。シーン一回。[降魔:転輪する星の運命]…N…運命の輪は巡る。星々は銀河を築く。LINK/10+1点のダメージを攻撃に加える。▽ 道具 ▽[降魔符・星]:真なる覚悟、今ここに星を結ぶ。使用者の【執筆】を除く全ステータスを18に変更し、使用者は死亡する。[ボンボン印の煙幕玉]:φみたいな形の煙幕玉。逃走判定に自動成功する。使い捨て。[簡易結界符]:2:ダメージを1点まで軽減する。この符は同時に3枚まで宣言できる。使い捨て。【全ては一の為】:1:降魔適応者専用霊装。身代わり人形。搭乗者の生命値が0になるまで全ての消費を無効化する。使い捨て。ウン千万。▽ 心傷 ▽ Conquer +変化前データ ▽ 傾向 ▽[正義の継承]:憧れたその姿を目指して。怪異の居るシーンで全判定+10%の修正。怪異に遭遇した人間を放って逃げられない。▽ 技能 ▽[降魔適応者]…P…星を見失った者。三分間(3手番)のみ“降魔”として変身できる。また、降魔を使っても死亡しない。ただし使用後三ヶ月は変身できない。[人心掌握術]…N…判定前に宣言可能。自身の判定成功率に+10%の修正。シーン中、同時に他キャラが判定する場合、それに+5%の修正。(気-2)[降魔:断罪]…N…罪を裁く騎士剣。【戦技】対決成功時、単体の【物】【霊】に対して+3点のダメージ。1手目の場合判定に+15%の修正。[降魔:幻惑]…N…正体なき蜃気楼の被膜。戦闘中に発生したダメージを一度だけ0にする。(最大気力値-1/R制限)[降魔:混沌]…N…不定なる悪魔。その力、邪道であり王道。指定した対決判定に宣言可能。【X】を0とし、判定に+[指定ステータス*8%]の修正。 成功時、8点の軽減できないダメージ。【最大生命値-1/リチャージ】▽ 道具 ▽[降魔符]:正しい詠唱を唱える事で“降魔”として変身できる。使用者の【執筆】を除く全ステータスを18に変更し、使用者は死亡する。[降魔符:罪]:[降魔適応者]が使用した場合、使用手番毎に最大生命値-0.5。それ以外は最大生命値が0.5となる。全ステータスを15に変更する。 この降魔符のリチャージは使用制限ではなく、3か月の間、消費した数値が戻ってこないものとする。[守護剣]:持ち主を守る事に特化した霊刀。【物】に+2ダメージ。判定失敗時、この武器を放棄する事でその判定結果を無効にする。▽ 心傷 ▽[迷星]:正義に縋り、同時にその正義の揺らぎを最も恐れる。自己の正義に迷った時、降魔に呑まれ最終的に怪異と化す。 +怪異化データ . \ \./二\./. / ソ ヾヽ, /_ ,\. \ / ./、 ヘ } ←-------.゙ ゝ_ \ Y / _ノ } \ \\// /i. \. r、 \/ /`i /ノ;, ヽ...... ヘ丶 i / ./ / 、 ソ i |\_i ヽ ヘ! i /` ^ ソ ', ヽ、 } ヾ/ヽ ヾ ! i/ /ヾ/ /} ',_ \ ノ ___ ヽ.゙ヽ ∨、ヾ i //// / / 、\ `ー ' / /\'.ヽヽ ', '; i / .// / `\ ___ノ 、 \/ ヘ ヘ\.i/ // / / /二二二二二}┗╋━━━━━━━━━━ ┃Name:???【?】┏╋━━━━━━━━━━▽ 能力 ▽ 生命値 : ?? 気力値 : ?? 傾向 :[010101魔:白騎]、[???]┏ ┳ ┳ ┓┃ 恐怖:?? 才覚:?? 境界:?? ┃┗ ┻ ┻ ┛┏ ┳ ┳ ┓┃ 戦技:?? 交渉:?? 敏捷:?? ┃┣ ╋ ╋ ┫┃ 霊性:?? 技術:?? 執筆:?? ┃┗ ┻ ┻ ┛▽ 傾向 ▽[010101魔:白騎]:迷い絶ち、全ての決着を結ぶ願い。0101怪異0101果てた100101末路。全判定+15%の修0101101010[???]:▽ 霊障 ▽[降魔:怪画]…P…怪異の放つ霊障による自身への状態異常・祟り・呪いを常時無効化する。また、全ダメージを2点まで軽減する。[降魔:塔]…N…全てを呑み込む災厄の波。【霊性】対決成功時、単体の【全存在】に対して+4点のダメージ。[降魔:停止]…N…災厄に呑まれた宿命。【霊性】対決成功時、シーン内の【霊】に対して+4点のダメージ。シーン一回。
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「霖」が変換で出てこないとは新参者の悩みである。 ゲーム中に登場するキャラクターにはローマ字によるルビが振られるため、 常用外漢字でも読むことが可能である。 だが、書籍のみの登場(ゲーム中にも香霖の名は出るが読みがない)である霖之助は読みから理解されていないこともある。 その上「霖」の字はIMEで「りん」と変換しても出てこないという 読むにも書くにも優しくない名前である。 こーりんの呼び名が普及した背景であるかもしれない。 対処法としては「りんう」による「霖雨」への変換があるが、 辞書への登録か、東方辞書の導入を検討した方がよいかもしれない。 ちなみに霖とは「ながあめ」とも読み、何日も降り続く雨を指す。
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天子との激戦でゆかりんの傘布が破れてしまった。 そのままにしておく訳にもいかないので霖之助に修理を頼むゆかりん。 霖之助は技術が無いので他をあたれと言ったが、霊夢の服等を修繕していることを言及され 止むを得ずゆかりんの傘の修理をすることに。 しかし霖之助は本当に傘の修理などやったことが無いので、時間をくれと言ってその日はゆかりんを帰らせた。 数日後、香霖堂に遊びに来ていた魔理沙が帰ろうとすると、外は大雨だった。 霖之助の部屋から勝手に傘を拝借する魔理沙。それは霖之助に預けられていたゆかりんの傘だった。 店番をしていた霖之助は、裏口から出て行った魔理沙がそれを持って行ったことに不運にも気付かなかった。 家に帰る途中で雨が傘から漏れていることに気付く魔理沙。 傘は修理中で耐久性が落ちており、しかも日傘だから雨に弱いのは当然。何時の間にやら傘は穴だらけに。 だが魔理沙はそれを「持ってくる傘間違えたぜ」程度にしか考えていなかった。 そんな魔理沙でも、家に帰ってからその傘がゆかりんの持っていたそれと同じ物だということを思い出した。 途端に真っ青になる魔理沙。たまたま同じ形をしているだけでこれは別の物だと自分に言い聞かせる。 もしこの骨組みが露わになったボロボロの傘がゆかりんの物だったら、と考えただけでも恐ろしい。 一方、霖之助も魔理沙と同じく真っ青になっていた。店中どこを探してもゆかりんの傘が見当たらない。 客から預かっていた物を無くすなど店主としてあるまじき失態。ましてや相手は幻想郷の大妖怪。 機嫌を損ねれば自分の首など比喩では無しに一瞬で飛ばされる。 霖之助が魔理沙の発言を思い出したのと、魔理沙が慌てて香霖堂に引き返してきたのは同時だった。 魔理沙の手には見るも無残なゆかりんの傘。預かり物をこんな形にしてしまい絶望する霖之助。 その彼の口からそれがゆかりんの物だと聞かされ涙目になる魔理沙。 そしてついに、ゆかりんが香霖堂にやってきた。もちろん傘を受け取る為に。 覚悟を決めてジャンピング土下座で謝る二人。すると意外にも、ゆかりんはあっさりと許してくれた。 一安心の二人だったが、人の大事な物を壊してしまったという心の傷だけは残る事になった。 実はゆかりんは腸が煮えくり返るような思いだった。その傘はかなり前から使っていたお気に入りの物だった。 何度も修理して大事に使ってきたのに、骨組みにだらしなく垂れ下がった布という悲惨な状態ともなると、 もう布を張り替えるしかない。それはもう新しい傘であって、自分の愛用品であるとは言えないだろう。 態度には出さないものの、真面目で几帳面な霖之助を信頼していたゆかりん。しかしそれは簡単に裏切られた。 そして当然ながらその怒りの矛先は、傘を勝手に持ち出した魔理沙にも向けられた。 しかし魔理沙も霖之助も知らぬ仲では無いし、今烈火の如く怒ったところで関係が気まずくなるだけ。 それよりは自分が耐え忍んで、今後も今まで通りの付き合いを続けるのが賢い選択だとゆかりんは悟ったのだ。 結局、三者三様の遺恨を心に残したままこの話は終わった。 ゆかりんが魔理沙や霖之助の前に姿を見せなくなったのは、きっと気のせいだろう。 なんかリアル過ぎ吹いたw 現実大人の対応ってこんなんだよね… 切ない -- 名無しさん (2009-10-02 05 51 51) 客から預かったものはそれ専用の場所に保管しましょうねw -- 名無しさん (2009-10-02 07 20 12) 可哀想なゆかりん… それとジャンピング土下座にチャレンジしたら、 下顎痛めた -- キング クズ (2016-06-27 02 57 56) 名前 コメント
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《森近 霖之助》 No.028 Character <第一弾> GRAZE(2)/NODE(4)/COST(2) 種族:人間/妖怪 (自分ターン)(1): ターン終了時まで、〔あなた〕は装備カードが持つ「神器」の効果を無視することが出来る。 攻撃力(5)/耐久力(3) 「何時の間に店に来てたんだい?」 Illustration:仄柑 コメント 「香霖堂」店主。 本来伝説を所持しなければセット出来ない神器をセット出来るようにする。 今の所、神器を伝説を持たないキャラにセットする手段はこのカードと墓泥棒、天狗の小槌、国符「三種の神器 剣」(草薙剣)、ナズーリン/12弾、改良のみである。 その意味で希少な能力と言えるのだが、このカードのコスト+能力コストの3点掛かり、場に出す為の手間も掛かる。またこのカードにより神器をメインとして考えるなら、何らかのサーチ手段も用意しなければ心許ない。 特に主要な伝説所持キャラクターは自身のスペル神器の術者も兼ねている事が多い為、わざわざこのカードを使って他のキャラにセットさせるよりは普通に運用した方が楽で、なおかつ強力であったりする場合が多いのも事実である。 それでも、本来セット出来ないキャラに強力な装備をセットさせるという点から、様々なコンボが考えられる。 本人の戦闘力も結構高めで、アタッカーとして悪くは無い性能をしているので、このカードでしか出来ないデッキ構成を考えるのも一興だろう。 非戦闘員の彼の攻撃力が高いのは、「東方世界の男性は弾幕ごっこをしないだけでやはり身体能力は女性より高い」という設定に従ったかららしい。当初グレイズが0だったのも、弾幕を用いないという設定に基づいたものだろう。 コスト面で大幅に有利な天狗の小槌の登場により若干影が薄くなったかもしれない。 エラッタによりグレイズが0→2になった。 収録 第一弾 Revision Package スターターデッキ紅 関連